映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

映画

「ワイルドライフ」監督ポール・ダノ at 恵比寿ガーデンシネマ

www.ifcfilms.com 俳優ポール・ダノ監督第1作。 1960年のモンタナ州、質素な秋の風景をフィックスを多用した落ち着いたキャメラでとらえる。14歳の少年ジョー(エド・オクセンボールド)はいつも口を半開きにして喜怒哀楽を見せない茫洋とした風情。まだ何にな…

「新聞記者」監督・藤井道人 at MOVIXあまがさき

shimbunkisha.jp 今一番の話題作と言っても過言ではないだろう。MOVIXあまがさき、平日昼の回満席近い。 前半は既に報道されている昨今の政治スキャンダルのコラージュ、後半はフィクション性が強化されて飛躍する展開。ちょっとガラパゴスなのは官邸の不正…

「COLD WAR あの歌、二つの心」監督パヴェウ・パブリコフスキ at テアトル梅田

www.imdb.com 戦後4年のポーランド、どこかの田舎町の民俗舞踊団の学校の様子から始まる。全国から歌やダンス自慢の若者が集まり、オーディションを受ける。パッショネイトな歌と踊り、何より人見知りしない押しの強さを持つ少女ズーラ(ヨアンナ・クーリク)…

「イーダ」監督パヴェウ・パヴリコフスキ at シネヌーヴォX

www.imdb.com mermaidfilms.co.jp 公開が控えている「COLD WAR」の予習にとこのミニマムなシアターへ。 戦後15年くらいの、共産主義時代のポーランド、どこかの田舎町の修道院から物語は始まる。モノクロ、スタンダードの画面で人物は常に画面下半分の上手か…

「旅のおわり世界のはじまり」監督・黒沢清 at シネリーブル神戸

tabisekamovie.com ウズベキスタンが舞台、日本のテレビ番組のクルーが幻の巨大魚を撮ろうと四苦八苦している。適当な感じで撮られているバラエティ番組の感じがよく出ている。札束で頬を叩く、という表現がぴったりの凡庸なディレクター(染谷将太)、仕事は…

「ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた」監督ブレット・ヘイリー at シネリーブル神戸

www.heartsbeatloudmovie.com NY、ブルックリン。中古レコード屋の親父(ニック・オファーマン)は商売っ気が無い、気に入らない客は追い返す。そもそも自分が元ミュージシャンで趣味の延長のような仕事。しかしいよいよ閉店しなければならない。妻は事故死、…

「さよならくちびる」監督・塩田明彦 at OSシネマズミント神戸

gaga.ne.jp 冒頭、 黒いSUV車の中に座る男一人、女二人の行動と会話だけで見えて来る人間関係。終始引き気味のショット、一人の人物だけが居るように見せて、キャメラの位置が変わるともう一人人物がいる手法。映画的な密度の濃さにワクワクする。この三人が…

「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」監督マイケル・ドハティ at TOHOシネマズ梅田

www.instagram.com 亡くなった板野義光さんがEPでクレジットされているのは何故なのか分からないが、中国系の名前がプロデュースチームに複数見られ、その所為かどうかオープニングは中国雲南省のモスラの幼虫。いきなりモスラで始まり、これを携帯コンロみ…

「晩菊」監督・成瀬巳喜男 at 京都化博物館フィルムシアター

晩菊 発売日: 2018/12/19 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る 1954年東宝。成瀬監督の名作「浮雲」はこの次の作品、この「晩菊」と同じ芸者群像を描いた傑作「流れる」は1956年。「晩菊」を観るとこの三本は地続きのような気がしてならない。…

「希望の灯り」監督トーマス・ステューバー at シネリーブル梅田

kibou-akari.ayapro.ne.jp ここが旧東ドイツの一地域、とは当初分からないがネイティブなドイツ系の人には言葉と空気感でそれは伝わるのであろう。後半になって、ある男によって語られる東ドイツ時代の「輝き」によって、国民の生活を物心両面で抑圧していた…

「轢き逃げ-最高の最悪な日-」監督・水谷豊 at 109シネマズHAT神戸

www.hikinige-movie.com 水谷豊監督第二作はサスペンス・ミステリー。途中で「真相」が見えて来るストーリーなので詳細は記せないが、ヒッチコックの「サイコ」('60)はヒントになっているだろうと思われる。 神戸の街を俯瞰するドローン撮影が下降して一台の…

「記者たち〜衝撃と畏怖の真実〜」監督ロブ・ライナー at TOHOシネマズ シャンテ

www.shockandawemovie.com 「LBJ」('17)に続き事実に基づいたアメリカの政治史を描くロブ・ライナー。先の「バイス」で描かれていた政治家、国家の陰謀をジャーナリスト側から描く。9.11以後の露骨な世論誘導、報道規制は「バイス」でチェイニーとラムズフェ…

「ハンターキラー 潜航せよ」監督ドノバン・マーシュ at 109シネマズHAT神戸

hunterkiller.movie 脚本に「ロボコップ」('87)のプロデューサーの人が入っているが、監督始め余り知らないスタッフ、キャストもさほど派手ではなく、製作国は英国となっている。エンドクレジットには中国系の会社と名前があり資本の一部が入っている模様。 …

「ちいさな独裁者」<本国ドイツ・モノクロ版>監督ロベルト・シュヴェンケ at 淀川文化創造館シアターセブン

www.filmgalerie451.de 原題は大尉、英語ではCaptain。日本人観客のレベルの低さに合わせて、この手のものにはセガールの沈黙シリーズ並みに「ヒトラーの」と付けたがる配給会社だが流石にユダヤ人迫害やヒトラーの暴虐がテーマではない本作にはそれは付けら…

二二八人權影展:媽媽,晚餐吃什麼?in 二二八國家紀念館

www.228.org.tw ママ、ごはんまだ? [DVD] 出版社/メーカー: Happinet 発売日: 2017/08/02 メディア: DVD この商品を含むブログを見る

「バイス」監督アダム・マッケイ at TOHOシネマズ西宮OS

www.vice.movie オープニングは9.11のテロ、その時のホワイトハウスの緊迫、がそこに当時の大統領ジョージ・W・ブッシュ(スティーブ・カレル、そっくり!)はいない。副大統領チェイニー(化けに化けたクリスチャン・ベール)と隣席の弁護士が何やら囁き合う。そ…

「ブラック・クランズマン」監督スパイク・リー at シネリーブル神戸

www.instagram.com 邦題にはナカグロが入っているが原題はkkKが繋がっている。さてそのKKKだが題材とされた映画には「ミシシッピー・バーニング」('88)という傑作があり、またそのものズバリの「クランスマン」('77)なんてのもあった。 本作は事実に基づいた…

「バジュランギおじさんと、小さな迷子」監督カビール・カーン at 塚口サンサン劇場

www.imdb.com 2015年のインド映画、159分あるがダンスと歌をカットしたら20分は縮められるだろうがそれは出来ないお約束。ベッタベタの人情物、ヒーローたるパワンを超人気スター、サルマン・カーンが演じていて、これが無類のお人好し。バックボーンにヒン…

「まく子」監督・鶴岡慧子 at シネリーブル神戸

makuko-movie.jp 西加奈子の原作は未読。一方監督の鶴岡氏は30代、登場する母親世代と子供達の世代の中間ということになる。冒頭の小学校、主人公の男の子サトシ(山崎光)の頭の上から枯葉が降って来て、運動場に行くと大声で漫画を朗読する男、取り囲む子供…

「女王陛下のお気に入り」監督ヨルゴス・アンティモス at シネリーブル神戸

https://www.facebook.com/TheFavouriteFilmUK/ アン王女役オリビア・コールマンが今年のオスカー主演女優賞。 史実に照らし合わせてみると、いやただのwikiからの引用だが、本編で語られているスコットランドとフランスとの戦争というのはスペイン継承戦争…

「グリーンブック」監督ピーター・ファレリー at 109シネマズHAT神戸

www.instagram.com 今年のオスカー3冠。 1962年のNYから始まる。劇中ドン・シェリー(マハーシャラ・アリ)が警官にJFKの弟の司法長官に電話させるシーンがある。JFKの暗殺はこの翌年。孤高の黒人ピアニスト、ドン・シェリーが敢えて差別の激しい南部に演奏旅…

「七夕の妻」監督チョイ・パギリナン、チャールソン・オン、リト・カサヘ at シネリーブル梅田

twitter.com第14回大阪アジアン映画祭の一環で上映。 劇中、日露戦争から20年後、との台詞があるので1930年代前後か。資料によると日本人がフィリピンに入植していたというのは史実らしい。で、その入植日本人(何故か全員関西弁)の一人タナバタ氏が少数民族…

「バーニング 劇場版」監督イ・チャンドン at 元町映画館

www.burning-movie.com 村上春樹の原作「納屋を焼く」は読んだ記憶はあるものの内容はほとんど覚えていない。いやしかしそんなことはどうでも良いぐらいスリリングな映画だ。出資者にNHKがクレジットされており、テレビ版が存在する。50分以上カットしている…

「運び屋」監督クリント・イーストウッド at TOHOシネマズ西宮OS

The Mule Film - ホーム | フェイスブック 原題のmuleを辞書で引くと、頑固者、または騾馬とある。なるほど荷役としての家畜であった騾馬、そして頑固者という意味は本作の主人公アールそのものだ。更に劇中で退役軍人のパーティでバンドが奏でるポルカとは…

「みとりし」特別上映会 in 衆議院第一議員会館

衆議院第二議員会館で打ち合わせ。 衆議院第一議員会館で「みとりし」特別上映会。

「半世界」監督・阪本順治 at TOHOシネマズ鳳

hansekai.jp 近隣の劇場では早朝8時台と夜中21時台しかやっていないので堺まで観に行く。東京では入っていると聞いたが、堺だけちゃんと昼間に観られるというのは阪本監督の出身地だからか? さて、堺よりももっと地方の漁村が舞台の本作。三重県伊勢志摩の記…

「あの日のオルガン」監督・平松恵美子 at 神戸国際松竹

www.anohi-organ.com 長く山田洋次監督に仕えた平松恵美子監督の第二作は戦時中の疎開保育園の物語。 私より3歳下の平松監督は当然ながら戦争を知らない。戦時中を知る山田洋次監督の深い怒りを込めた眼差しとは違う、半ば開き直った現代性を纏う。登場人物…

「すべてが狂ってる」監督・鈴木清順 at シネマヴェーラ渋谷

1960年日活作品。 鈴木清順監督のフィルモグラフィによると1960年だけで5本の監督作品が封切られている。同年に公開されているのがゴダール「勝手にしやがれ」ということでその影響の強い脚本。冒頭に割としっかり撮られている太平洋戦争の激戦、敗走する日…

「恐怖の報酬 」【オリジナル完全版】監督ウィリアム・フリードキン at 宝塚シネ・ピピア

www.imdb.com フリードキンの持ち味は過剰さハッタリだ。先ごろネットフリックスで彼の最新作「悪魔とアモルト神父」('17)を観たがドキュメンタリーの体裁を取りながらまるで抑え切れないサガのように音声とカラーをいじって自身の「エクソシスト」('73)に繋…

「洗骨」監督・照屋年之 at 109シネマズHAT神戸

senkotsu-movie.com 洗骨、検索してみると現代では殆ど行われていない風習のようである。人が死ぬと火葬せずに風葬(映画では遺体が洞窟の中に納められていた)し、4年後それを取り出して洗う、というもの。死者との再会でもあり成仏の意味もあるのかも知れな…