映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

映画

「リチャード・ジュエル」監督クリント・イーストウッド at TOHOシネマズ西宮OS

www.imdb.com 1996年アトランタ五輪の爆弾テロ事件を「事実に基づいて」描く。 イーストウッドの史実ものはそっくりさんショーでもなければ再現フィルムでも無い。そこにしっかりと彼ならではの解釈が練り込まれるのは自明である。 本作の見どころとしては救…

「パラサイト 半地下の家族」監督ポン・ジュノ at TOHOシネマズ西宮OS

www.imdb.com 昨年度カンヌのパルムドール、ポン・ジュノは名実ともに世界トップクラスの監督となった。本作は予備知識無しで観た方が断然面白く、細かく散りばめられた伏線を楽しむのが製作者の本望だろうからここでは曖昧に書く。先に言っておくと滅法面白…

「家族を想うとき」監督ケン・ローチ at 新宿武蔵野館

www.sorrywemissedyou.co.uk エンドロールのThanksの欄に、正確な英語の文言は失念したが「取材した運転手達。ただし名前は明かせない」とあった。綿密に取材されたと思しき英国の宅配便の運送業者の実態を描く。それは個人事業者とは名ばかりで本質はGPSを…

「日本列島」監督・熊井啓 at 京都文化博物館フィルムシアター

www.kinenote.com 1965年日活。プリント、音響は頗る良好。 戦後史に幾ばくかの知識がないと置いて行かれるほどてんこ盛りに事件が起きる。端を発するのは戦時中に存在した陸軍登戸研究所。1959年(昭和34年)米軍兵が変死体で海から上げられるも事件の真相は…

「15ミニッツ・ウォー」監督フレッド・グリヴォワ at Cinema KOBE

www.us.empreintedigitale.net ひっそりと公開された故に見逃してしまう私ごのみの映画をかけてくれるCinema KOBE。今作はオルガ・キュリレンコ嬢目当てで駆けつける。オルガ嬢といえば「ロープ /戦場の生命線」('15)もここで観たのだった。 1976年のジブチ…

「台湾、街かどの人形劇」監督・楊力州 at ユーロスペース

machikado2019.com 侯孝賢監督が監修。侯監督の名作「戀戀風塵」('87)に登場し、「戯夢人生」('93)でその半生を描かれることになる布袋戯の名人、李天禄の息子、陳錫煌を追うドキュメンタリー。陳氏の人形を動かす手と指の動きが繰り返し映し出される。日本…

「カツベン!」周防正行監督 at 渋谷TOEI

www.katsuben.jp 5年に1本ペースとなってしまった周防正行監督最新作は大正時代の活動弁士の世界を描く。なかなか通りにくい企画であったことは想像に難くない。若年層は見向きもしないであろう時代劇、いくらCGで足すとはいえ巨大セットを組まなければなら…

「プライベート・ウォー」監督マシュー・ハイネマン at Cinema KOBE

www.imdb.com twitter.com なかなかタイミングが合わず、ようやく新開地最終日に間に合ったどうしても観たかった作品。 米国人で英国の新聞社で働く記者マリー・コルヴィン(ロザムンド・パイク)の短い生涯を描く。実在の人物であったことは自明なのだが、冒…

「夕陽のあと」監督・越川道夫 at 新宿シネマカリテ

yuhinoato.com 鹿児島県、長島町という港町が舞台。鰤の養殖が盛んらしく、活気ある鰤漁の描写から映画は始まる。漁協なのか、女性達が働いている会話の中に不妊治療を諦めた、いや私は300万円使ったが駄目だった、という会話がある。この漁協の向かいには食…

「解放区」監督・太田慎吾 at 元町映画館

http://kaihouku-film.com/ キネ旬に寄稿された監督自身による製作から公開に至るまでの顛末の記事を読んで俄然観る気になって元町映画館の公開最終日に滑り込む。 監督、というより主演も撮影も編集も兼任した「作者」と呼びたい太田慎吾氏がスヤマと名のつ…

「第三夫人と髪飾り」監督アッシュ・メイフェア at テアトル梅田

国際ファッション専門職大学大阪キャンパスで講義の後、テアトル梅田へ。 www.imdb.comエンドロールによるとスパイク・リーの関連団体による奨学金が使われているようで、そんな制度があるのかと検索したら、こんな記事が。 diverseeducation.com www.nippon…

「ジョーカー」監督トッド・フィリップス at TOHOシネマズ日比谷

www.imdb.com 冒頭、初期のイーストウッド作品などでお馴染みの1970年代のワーナー・ブラザースのロゴマーク。ここでこの映画が1970年代のアメリカ映画を意識してね、というサインを送っている事に気づかなければならない。架空の街の筈のゴッサムシティは明…

「いのちのスケッチ」監督・瀬木直貴 at 第七藝術劇場

国際ファッション専門職大学大阪キャンパスで講義。 inochisketch.com 漫画家修業に挫折した青年が、東京から故郷大牟田へ帰って行く。一文無しがどうやって帰郷したのかは描かれない。実家の父親には敷居を跨ぐなと叱られ、仕方なく祖母の家に。そこには見…

「永遠の門 ゴッホの見た未来」監督ジュリアン・シュナーベル at TOHOシネマズ西宮OS

www.ateternitysgate-film.com エンドロールであっ、となった脚本はジャン=クロード・カリエールだ。なるほど昔のゴダールの香りが微かにするなと思ったら宜なるかな。名前はフランス系だがNY出身のジュリアン・シュナーベル監督は「潜水服は蝶の夢を見る」(…

「濡れた欲情 特出し21人」監督・神代辰巳 at シネマヴェーラ渋谷

www.nikkatsu.com 1974年日活。35㎜プリント状態は悪くない。 大阪、台詞では心斎橋と言っているが吉祥寺駅前の標識が。神代辰巳だとそれらのことはご愛敬の範囲内となってしまう。6万円入りの財布を拾った男が北へ、南へと出会った女と共に旅をする。行き着…

「ボーダー 二つの世界」監督アリ・アッバシ at ヒューマントラストシネマ渋谷

www.bordermovie.us アリ・アッバシ監督はイラン出身でデンマーク在住、もとは建築家だそうで、IMDbによると長編は二作目。本作はスウェーデンとデンマークの合作。 冒頭から何度も繰り返し出て来る暗い森。湿地、豪雨。先に見た「ドリーミング村上春樹」も…

「いなくなれ、群青」監督・柳明菜 at アップリンク渋谷

映画「いなくなれ、群青」公式サイト ある孤島に不思議な高校があり、そこに連れて来られて通う生徒達は連れて来られた経緯の記憶がない。通信は遮断され、郵便は一方通行だ。北朝鮮に拉致された日本人のメタファーか、と思ったがそんな社会性が無いことは彼…

「ドリーミング村上春樹」監督ニテーシュ・アンジャーン at シネリーブル神戸

www.dreamingmurakami.com もう随分村上春樹作品から離れて、つまり読まなくなって経つが世界はその逆のようで熱狂は続いているらしい。しかし彼の最初の作品「風の歌を聴け」はその映画化も含め、自分の人生に幾ばくかの影響を与えた事は認める。その「風の…

「エンテベ空港の7日間」監督ジョゼ・パジージャ at シネリーブル神戸

国際ファッション専門職大学大阪キャンパスで講義。 www.focusfeatures.com 1976年に起きたエンテベ空港事件、中学生だった私にはライブ感覚で記憶している。その後直ぐに映画化(本編そのものはテレフューチャー)された「エンテベの勝利」('76)の公開打ち切…

「ゴーストマスク 傷」監督・曽根剛 at 下北沢トリウッド

伊丹空港よりNH24便で羽田空港着。 ghostmask.net 本作主演の広澤草嬢から熱烈に観てと言われてトリウッドに来る。 初めての映画館だがプロジェクターによる上映スペースといった感じ。椅子の座りごごちが良い。 東京、どこかの田舎町、そして韓国ソウルと場…

「ラスト・ムービースター」監督アダム・リフキン at 新宿シネマカリテ

lastmoviestar.com 公開中の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のディカプリオが演じたTV西部劇スターはバート・レイノルズがモデルだったらしい。マカロニ・ウェスタンで成功して凱旋帰国したクリント・イーストウッドの後追いのようにして…

「雁の寺」監督・川島雄三 at 京都文化会館フィルムシアター

www.bunpaku.or.jp 1962年大映。恥ずかしながら初見。川島・若尾文子コンビ「女は二度生まれる」(大映東京)の翌年の作品。でこちらは大映京都、舞台も当然京都の禅寺。フィルムの状態は良くない、特にラストの褐色。昨年4Kデジタルレストア版が出来ているら…

「藍色少年少女」監督・倉田健次 at シアターセブン

国際ファッション専門職大学大阪キャンパスで講義。 「みとりし」上映中の第七藝術劇場へ。10時の回の上映直後に間に合って、お客さんの顔を見届ける。知り合いが二人。いずれも次回作の関係者で、この映画を観て安心してもらえたようだ。ナナゲイの階下シア…

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」監督クエンティン・タランティーノ at 109シネマズHAT神戸

https://www.onceuponatimemag.com/ タランティーノ最新作は1969年のハリウッドが舞台。撮影所が映画よりテレビドラマ製作の比率が高い時代。20世紀フォックスの「トラ!トラ!トラ!」('70)の看板が見える。実在した映画、実在した映画人達に混じって架空の二…

「アルファ 殺しの権利」監督ブリランテ・メンドーサ at ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13

www.imdb.com

「ブレードランナー ファイナル・カット」監督リドリー・スコット at 109シネマズ箕面

www.cinra.net IMAXシアターで鑑賞。1982年の最初のヴァージョンしか観ておらず、その後何回か改変を経ている筈だが、さほどこの作品に入れ込んではいないのでその変遷は専門家のサイトを参照してもらう。 www.thecinema.jp 入れ込んでいないのに何故箕面ま…

「帰れない二人」監督ジャ・ジャンクー at 新宿武蔵野館

www.imdb.com 中国語原題は「江湖兒女」英語タイトルが"Ash Is Purest White"(灰は純白)そして邦題が「帰れない二人」。中国語原題は江湖(生まれ)の少女、という直訳ではなく転じた意味があるようでジャ・ジャンクー監督の言葉によると江湖というのは大衆と…

「ロケットマン」監督デクスター・フレッチャー at TOHOシネマズ新宿

www.paramount.co.uk デクスター・フレッチャー監督は「ボヘミアン・ラプソティー」で途中から監督になった人。いろんな事情があったことは察するに余りある。で、続いて間隔を置かず実在の、しかも現存のアーチスト、エルトン・ジョンの半生を描くと。製作…

「白昼堂々」監督・野村芳太郎 at 神保町シアター

あの頃映画 「白昼堂々」 [DVD] 出版社/メーカー: SHOCHIKU Co.,Ltd.(SH)(D) 発売日: 2012/03/28 メディア: DVD クリック: 1回 この商品を含むブログ (4件) を見る 野村芳太郎監督特集の一本、1968年松竹作品。 寅さん誕生前夜の渥美清、倍賞千恵子更に佐藤…

「ココロ、オドル」監督・岸本司 at 第七藝術劇場

twitter.com www.cinematoday.jp 沖縄、座間味村という大変海の美しい村が舞台。出演の仁科貴から直接聞いたが、本編の自分の出番の撮影日数より海中撮影の日数の方が長かったそうだ。登場人物の一人、いつも不機嫌なフランス人がこの海に潜った途端に性格が…