映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「オペレッタ狸御殿」監督・鈴木清順 at 神戸国際松竹

「好きな映画は?」と訊かれれば、必ずその1本として「ツィゴイネルワイゼン」('80)と
答えるほどなので、鈴木清順監督の作品は全部観る。が、前作「ピストル・オペラ」('01)
は乗れなかった。流石にボルテージが落ちた、と思っていたので正直今作を観るのは怖かった。
82歳で「狸御殿」、ミュージカルというジャンル、不安一杯でスクリーンに正対したが、
なななんと、くすっと笑えたりする。それに思ったほどデタラメな印象はなく(素で観たら
デタラメですが)、むしろところどころ死生観をにじませ、満開に明るいかというとそうではない。
前作の方がよっぽど狂気を感じる。一度でも彼の映画を観て気に入った経験のある方は、
楽しめると思います。