映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「愛してよ」監督・福岡芳穂 at 十三、第七藝術劇場

 新潟市、シングルマザーの美由紀(西田尚美)は一人息子をモデル、ひいてはタレントに仕立てようとお稽古ごとやらオーディションやらに躍起になる日々。
 が息子のいる世界はいじめや暴力に溢れ、親はそのことに気づいてもいない。美由紀は恋人を「新しい父親」として息子に紹介するが、息子は負債を背負って失業中の父親に会いに行く。が、実父(松岡俊介)も息子を「放棄」して…というお話し。
 丁度、精神医学における「共依存」についての資料を読んでいたところなので、このまさしく親子間共依存がテーマの映画に深い興味を持って観た。母親をはじめとする、登場する大人達の誰にも共感出来ないという反面、彼等こそが「私たちの隣人」であろう現代を鋭く照射していて秀逸だ。
 暴力は親から子へ、子から更なる弱者へ連鎖する悲しさもやるせない。安易な結論に導かず、
微かな希望を感じさせる終幕に不思議な安堵を感じた。


大阪市北区茶屋町、「新食系産業を創出する会」発足準備会 in 新阪急インターナショナル・ホテル紫苑の間。
盛況。