映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「無花果の顔」監督・桃井かおり at 銀座シネパトス

桃井かおり、長編監督第一作。

話しはそれほどある訳ではない。ある一家の日々。庭にある無花果の木。8ミリのような、ザラついていて毒々しくもチープな発色のルック。人物のアクションとリアクションが唐突で、これが鈴木清順監督作品、と銘されていたら「ああそうか、ちょっと変だけど」と納得してしまいそうだ。撮影、照明、録音ともどうしていいか判らない逡巡や戸惑いが画面に出てしまっている。これを「映画以前」と観るか、「まるごと桃井かおり印映画」として認めるのか、私の判断は未だ停止したままである。