映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「悲しみが乾くまで」監督スザンネ・ビア at 恵比寿ガーデンシネマ

子宝に恵まれ、裕福な暮らしを営む、オードリー(ハル・ベリー)とブライアン(デビット・ドゥカニー)だったが、ブライアンが事件に巻き込まれて不慮の死を遂げてしまう。
茫然自失、事実を受け入れられず泣くことすら出来ないオードリーは、ブライアンの親友ジェリー(ベニシオ・デル・トロ)を自宅の離れに住まわせる。ジェリーは煙草とドラッグにまみれ、自暴自棄な日々を送っていた…というお話し。
なんとも嫌な構図無視のキャメラ、これは勿論ビア監督の狙い。編集も目まぐるしく、神経を逆撫でする感じ。しかし、この監督の真骨頂は実に繊細な人物造形にある。オードリーの神経が病んで行く過程、ジェリーの心の弱さの描き方は、俳優の実力に負うところが多いとしても見事だ。ハル・ベリーはやや張り切り過ぎ、それを中和するベニシオの演技力は流石。