映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「集金旅行」監督・中村登 at ポレポレ東中野

 1957年松竹。岡田茉莉子の自伝発刊記念回顧上映の1本。
確か同じ松竹の「神様のくれた赤ん坊」('79)の元ネタと聞いた覚えがある。
佐田啓二が死んだ男が貸した金の証文を持って岩国から尾道、四国へ渡って徳島へと巡るロードムービー
死んだ男と同じアパートに住んでいて、何故か自分も慰謝料回収しなきゃと佐田に同行するのが岡田茉莉子。本当に美しい。
50年前の映画女優の美しさというのは今では考えられないほど神々しい造作だ。そんな岡田にまとわりつくトニー谷の下品ストーカーぶり、大泉滉伊藤雄之助の怪演ぶりなど昔の役者の芸の細かさを楽しめる。諸国漫遊ままならぬ時代からか名所旧跡を説明するシーンが多いが、それもまた 今見ると貴重な映像でもある。
 後半、ヤクザの花菱アチャコ阿波踊りを踊る岡田茉莉子の見事なこと可愛いこと。そのアチャコと最後は結婚なんてちょっと唐突な印象だが、そんなふたりにアチャコの十八番「めちゃくちゃでござりまするがな」と言い放つ佐田啓二に大笑いしたのはこの日私だけだった。

女優 岡田茉莉子

女優 岡田茉莉子