映画和日乗

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「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」監督ケニー・オルテガ at 109シネマズHAT神戸

たかだかコンサートのリハーサルを撮ったビデオを繋いで金儲けか、とスルーするつもりだったが、あまりの世評の高まりと観客動員に気持ちが揺らいで劇場に足を運んだ。平日昼間にしてはお客は入っている、普段映画館では見かけない客層だ。どうやらヒットは本当のようだ。
言わずと知れたマイケル・ジャクソンの死の直前に開催されるはずだったロンドン公演のリハーサル風景を綴ったドキュメンタリー。HDキャメラだけでなく、家庭用のハンディカムと思しきキャメラも駆使、それをフィルムに転換しているのだが、その画質のクオリティにまず感心する。マイケル・ジャクソンとそのスタッフが本気でこれまでに誰も見たこともないようなスケールのステージを造ろうとしていたことは確実に伝わって来る。これは完成(=本番)していたら相当凄いものになっていたのだろう。その命懸けの本気ぶり、そしてどんなに苛立っても「怒ってないよ、LOVEだ」と周りに気を遣う様子、微細な動きを見せる例のムーン・ウォークの一部始終など見所は多い。何か猛烈に感動したという評判も仄聞するが、それほどでもないにせよ見て損はない。エンドロールが始まっても席を立たないこと。最後の最後がなかなか素敵。