映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「96時間」監督ピエール・モレル at 三軒茶屋シネマ。

LA、元CIAの工作員だったミルズ(リーアム・ニーソン)は、リタイアして再就職先を探す身。家庭不和で別れた元妻と娘キム(マギー・グレイス)がいるが、元妻は富豪と再婚、娘の親権もそちらにある。娘に自慢出来るスターの警備というアルバイトが見つかったミルズだが、娘キムは友達とパリへ行くという。裁判所の判断か、未成年の娘の旅行には父親の許諾のサインがいる。当初は反対するミルズも結局押し切られてしまう。自分の連絡先を入れた携帯電話を渡し、密に連絡を取ることを約束したのだが、パリに着いたとたんに羽根を伸ばしたキムと友達はあっという間に何者かに拉致されて連れ去られてしまう。すぐにパリに渡ったミルズは携帯電話からの情報を頼りに娘を探す。CIA時代の仲間からの情報によると、誘拐した人身売買組織は、96時間で"商品"を売り渡してしまうという…というお話し。
たかだかパリに旅行に行くのにやたらと神経質なミルズの描写は「この後えらいことになるな」という気配ムンムンでやや不自然な印象なのだが、実際事件が起きてからの展開の素晴らしさには興奮を禁じ得ない。ここに出て来るアルバニア人犯罪組織というのをネットで検索してみると、実際に存在するらしい。中盤以降のストーリーについてここで語るのはフェアではないので伏せるが、決して時計を見ることはない面白さ。ランニングタイム93分、思いがけないWell Made、暇つぶしに見たら飛び上がる程面白かった!という感じ。佳作、お勧め。