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「ロビン・フッド」監督リドリー・スコット at TOHOシネマズ梅田

忠臣蔵並みに何度も繰り返し映画化されているロビン・フッド。個人的には1976年版の「ロビンとマリアン」が記憶にある程度だが、何回目かのこのリメイク版は70代を過ぎてもイチロー並みのアベレージヒッター、リドリー・スコット監督が手がけた。
キネマ旬報」12月下旬号のスコット監督のインタビューによると、黒澤明をリスペクトし「蜘蛛巣城」('57)がバイブル、と語っているが、これが日本人記者向けのリップサーヴィスではないことは今作を見れば一目瞭然である。「蜘蛛巣城」の影響は冒頭のイングランドの森林から色濃く感じられ、ラスト近くの大合戦で遂にはロビンの放つあの矢が…三船敏郎のアレそのまま!(知ってる人はニヤリ)
また重税と夜盗に苦しむ12世紀ノッティンガムの村に現るロビン・フッド(ラッセル・クロウ)一行は「七人の侍」('54)を思わせ、騎馬合戦の見事なキャメラワークと編集は本歌取りであることは間違いない。
12世紀の英仏の戦いの史実を巧みに織り交ぜ、スコット監督生粋の英国デザインの見事さ、そしてクロサワというお腹いっぱいの娯楽活劇、お代に損はない佳作、お勧め。

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