映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「ソウル・キッチン」監督ファティ・アキン at シネマライズ

ドイツ、港町ハンブルク。雑な料理ぶりだがそれなりに固定客もいる大衆食堂「ソウル・キッチン」。店主のジノス(アダム・ボウスドウコス、脚本も兼任)は恋人を連れて家族会議に。その席で恋人は上海に単身赴任すると言い出し、別の席では客とシェフ(ビロル・ユーネル)が喧嘩、シェフがその場でクビに。更に刑務所に入っていたジノスの兄イリアス(モーリッツ・ブライプトロイ)が仮出所、弟に就業しているふりだけさせてくれと頼って来る。ある日クビになったシェフが「ソウル・キッチン」に現れメニューを一新するが常連客は怒って出て行ってしまう。ジノスはギックリ腰からヘルニアを患い歩くのも困難な状態に。次から次へと厄難が襲う中、店を他人に委ねて上海の恋人の元へ行こうとするジノスだったが、乗っ取り屋が登場し…というお話し。
アキン監督は俳優出身のトルコ人。脚本・主演のボウスドウコスはギリシャ人、舞台はハンブルクとヨーロッパテイストのごちゃ混ぜ感がちょっと今までにない味わい。クラブやらパーティやらやたらダンスシーンがはさまり全体のテンポがギクシャクしてしまうがそれもトルコ人感覚なのかも知れない。自宅に放火しても、セキュリティ甘過ぎのオフィスビルに侵入しても捕まらないご都合主義は大いに気になるが、ええ加減で楽天的な可笑しみと猥雑なテイストは映画全体を覆うコスモポリタンな雰囲気と相まって楽しめる。

ソウル・キッチン [DVD]

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