映画和日乗

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「毎日かあさん」監督・小林聖太郎 atシネウェーブ六甲

西原理恵子の同名漫画の映画化、小林聖太郎監督第二作。
ピンクパンサーシリーズを即座に想起した、実写から飛び出すアニメーションのオープニングから可愛らしくてワクワクさせる。
原作は未読なので想像だが、恐らく原作通りの短いエピソードをテンポよく巧く繋げている。画は派手でカリカチュアされていても通底しているのはリアリストの視点であるという西原理恵子のテイストをきちんと掬っている点も見事だ。死ぬほど考え抜いたであろう小林監督は、この構成を飽きさせずにエピソードひとつひとつを目一杯元気の良い活劇にしている。
河原が突然病院の診察室になるシュールな自由さは映画を知り抜いた技だし、バンコクもアマゾンもロケ出来ない事を逆手に取ったフェリーニばりの嘘くさいセットも却って効果的。
そんな軽やかで朗らかな映画的カリカチュアと、父親の死と向き合う家族というリアリズムの交差も成功している。
永瀬正敏入魂のなりきり演技、玄関の靴の写真を撮るところ、泣けた。佳作、お勧め。
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