映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「ロボジー」監督・矢口史靖 at 東宝関西支社試写室

 ロボットというハイテクと、介護も含めた老人問題をマリアージュさせるという画期的な企画力には素直に敬服した。しかしこのマリアージュ、無理に無理を重ねてしまい、ストーリーが進行するにつれリアリティある社会性からはどんどん遠のく結果となってしまった。
おじいさん(ミッキー・カーチス改め五十嵐信次郎)がロボットの中に入っていて、それがバレずに高性能のロボットとして人気が出る、というストーリーが軸なのだが「メカに弱いケーブルテレビ記者(田畑智子)」が素人の女子大生(吉高由里子)に取材最中にビデオカメラを預ける、という「ありえない無理」から始まり、その「ありえない無理」ありきでストーリーが進行する。ロボット開発チームの会社社長(小野武彦)も無理なほどこの事実に気がつかない為、もの凄くバカに見えしてまう。広大な敷地を持つ立派な会社の社長なのだが。自然な脚本として考えられるのは開発チームは早々に社長にだけは真実を告白し、社長が体面を保つ為に事実を隠しつつ電器製品の売り上げに繋げる、という流れだろう。女子大生の在籍する理工学部での開発チームの講演も、彼等がロボット工学に無知なのを学生達が勝手に先回りして解析するという酷く無理な展開。もうこのあたりから無理度が加速して私はついて行けなかった。
 ところどころ散発的なギャグには笑わされたが、某劇作家の映画がヒットしてしまうこの国では興行的にはひょっとしたらひょっとするかも。
1/14公開。

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