映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「ドライヴ」監督ニコラス・ウィンディング・レフン at 梅田ブルク7

二人組の強盗を車に乗せたドライバー(ライアン・ゴスリング)、警察無線を傍受し夜のLAの街を巧みにすり抜け「仕事」を終える。無口でポーカーフェイス、本職は映画のカースタント担当だが自動車修理工場のボスから腕を見込まれて闇の商売もこなす。
素性は不明、アパートの隣人アイリーン(キャリー・マリガン)と彼女の子供に慕われるがアイリーンには服役中の夫スタンダード(オスカー・アイサーク)がいた。彼の出所祝いのパーティの翌日、ドライバーは血まみれで座り込んでいるスタンダードを発見する。スタンダードは悪い筋の借金があり、妻と息子の命と引き換えに大金を用意しなければならなかった。ドライバーは何故かアイリーンと息子の為にスタンダードと「危ないヤマ」を踏む…というお話し。
名無しのドライバー、LAと来ればウォルター・ヒル「ドライバー」('78)だ。そのオマージュであることは間違いない、がこのデンマーク出身のレフン監督、後半になって色んな映画をブチ込んで来る。「盗んだ金が思っていたより大金」という設定は「突破口!」('73)だろう。ウォルター・ヒルドン・シーゲル。筋がよろしい。あのナイフさばき、いきなり手の甲を潰したりは「ブラック・レイン」('89)の松田優作を想起させる。そう思うとドライバーの所作全てが松田優作が乗り移ったかのように見えてしまった。この監督、日本のヤクザ映画の影響も感じられてならない。
カット尻が長いのが気取ってるが、映像センスは良い。オッサン映画マニアには堪らない逸品。



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