映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「最終目的地」監督ジェームズ・アイヴォリー at シネマート心斎橋。

2009年作品、真田広之が出演していても日本配給が決まらずようやくシネマートにて上映とは日本の映画民度の劣化ぶりは深刻の度合いを増している。
ウルグアイが舞台、架空の作家の遺族を巡る「それぞれの行き方=生き方」。その作家の過去がいかな秘密を抱えているかがさほど重大に感じられない為、彼彼女等の拘りが伝わりにくい嫌いがある。それから、フィルム→デジタルの変換がうまく行かなかったのか、黒の発色が極端に悪い。
これまでさほど映画的濃度を感じなかったアイヴォリー作品は個人的には相性が悪かった。しかしここへ来てアイヴォリー84歳(この作品をつくった時は80歳)枯淡の域、ラストは神の俯瞰。愛は脆く、あれほど苦悶し拘った過去は「話すと長いのよ」と笑って片がつく。
このスノッブが、我が国には社会に於いても映画に於いても絶滅した。安もんとロリコンの国はこの映画を4年も放置したのであった。