1958年宝塚映画作品。
日活の川島雄三が宝塚撮影所に乗り込んで、山崎豊子のベストセラーを映画化。今も続く塩昆布のブランド小倉屋山本の創業の歴史がモデルとされているが、このウェブ版「小倉屋山本の歩み」と本編のストーリーはほぼ一致する。
今は亡き宝塚撮影所の、今では考えられないオープンセットとセットの豪華さ、見事さ。今宮戎神社のえべっさんまでセットを組んでいる。
森繁久彌、山田五十鈴、乙羽信子、浪花千栄子この役者達の至芸を見ているだけで胸一杯の幸福感に浸れる。山茶花究の見事と言うほかないあほぼんぶり、美しい扇千景、楽しい中村メイコ。戦後篇の森繁の二役は映像処理の苦労のあとが偲ばれるが正しく独壇場。彼以外あり得ない、やり得ない八面六臂。同じ川島監督の「幕末太陽傅」('57)のフランキー堺の八面六臂に通じるものがあるが、比較するとこちらの方が全体にやや大味。
いやしかし、面白い!何より役者の素晴らしさだけでお腹いっぱい楽しめる。
電通本社で打ち合わせ。