映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「新雪」監督・五所平之助 at シネ・ヌーヴォ

「生誕百年記念 織田作之助と仲間たち」特集上映のうちの一本。
1942年(昭和17年)大映東京作品。
阪急六甲界隈でロケされた幻の映画だったが、ロシアで不完全ながらプリントが見つかり、国立近代美術館フィルムセンターが所蔵している。数年に一回くらいの割で蔵出し的に上映されていたがようやく相見えることとなった。神戸市灘区界隈の国民学校に赴任して来た京都大学出の先生(水島道太郎)の巻き起こす騒動がエピソード綴りで描かれる。神戸弁というよりは大阪弁、更に綺麗な東京山の手言葉が混在し、あまり神戸の風情は感じられない。期待していたほどロケは多くなく、セット撮影が殆ど。それでも当時の阪急六甲駅は活写されていた。不完全な尺なのでもしかしたら他にもロケシーンはあったのかも知れないが。
戦時下の生活ぶりが良くわかる一方、ヒロイン月丘夢路は砂糖たっぷりの紅茶を嗜み、トランプで恋占いをする。後半はハッピーエンドに至る大ラブロマンスで、果たして軍の検閲は何ともなかったのかといささか驚いてしまう、戦時下とは思えない楽天的ラブストーリーだった。


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