映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「舟を編む」監督・石井裕也 at パルシネマしんこうえん

三浦しおんの同名小説の映画化。原作は未読。
辞書、それも現代語を限りなく追い続けながら編纂して行く現代語辞典を編纂して行く物語。その特異な作業ぶりはさながら国語についての修行ともいえる。出版社に於いて、志願してまでそんな果てしなき緻密な作業を志望する人はいないに等しく、後継者は見つからない…が、いたのだ。そんな作業にぴったりの男が。それが本編の主人公、馬締(松田龍平)。馬締君の来し方行く末を眺めていると、この映画の底流にはひとつの深遠なテーマが流れていることに気がつく。幸せな生き方とは何か。周囲を気にせず、好きなことに没頭し、信念を曲げず目標へと突き進む。その行動は「誰かが見てくれていて」、いつかはきっと報われる。なんとハッピーなんだろう。ひとが皆、この馬締君のように生きられたら世の中はもっと幸福になれるとすら思える。
松田龍平、父・優作には出来ないであろう領域の演技に開眼したか。
美術・小道具スタッフの労苦、察するに余りある。佳作、お勧め。


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神戸市内中央区某所で映画関係者と会食。


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