映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「神様のカルテ2」監督・深川栄洋 at 東宝関西支社試写室

夏川草介の同名小説の映画化。未読だがベストセラーらしい。ついでに「1」も未見。なので主人公、栗原(櫻井翔)が妻(宮崎あおい)と住む御嶽荘なる集合住宅の人間関係がよく分からないのだが、本筋にはあまり関係がなく、テーマとしては我が国の医療制度の疲弊と矛盾を衝いている。長野県松本市が舞台、まるでパチンコ店のような「24時間365日診療」のネオンサインがさんざめく病院の医師達の物語。「ER緊急救命室」のようなスピード感で押して来ることなく、深川監督はむしろ松本市の美しい実景をたっぷり挟みながらゆったりと、しかし確実なストーリーテリングで展開する。医は算術か仁術かという古くからの二項対立がベースなのだが現代に於いては徒労感、疲弊感が強い。怒りを持って改革を訴えるところまでは行かないが、それでもここに描かれる一種の告発は観る者に問題意識を植え付ける。
看護師役の藤本泉が好演。3月21日(祝)公開。


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