映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「ケープタウン」監督ジェローム・サル at 109シネマズHAT神戸

原題は"ZULU"、南アフリカ先住民のズールー族のこと。
邦題通り南アフリカの首都が舞台。えらい痩せたフォレスト・ウィテカー演じるアリという刑事と妻に逃げられ睡眠薬とウィスキーと煙草が手放せないエプキーン(オーランド・ブルーム)刑事のコンビが少年失踪事件と少女の撲殺事件を追う内に、新型麻薬の密造グループに突き当たる、というお話し。
 コテコテのバディ刑事アクションなのだがアリ刑事のアパルトヘイト時代の悲惨な過去がアクセントになっている。性的不能で母親思い、どこか西川きよし的小さなことからコツコツとな真面目な性格。破滅的なエプキーン刑事のことも上司にかばい立てする。ところが対する麻薬密造組織は凶暴極まりない。星の数ほどある刑事アクション映画の中でも際立った野蛮ぶりは南アフリカという土地柄故か。貧富の格差も強調された描かれ方でそれ故の治安の悪さ。
 脚本が図式的で、愛妻家のインテリ風刑事など、悲惨な末路が充分に予想出来るクドい「愛妻ぶり」がその前段に描かれ、そして思った通りに殺されてしまう。カードキーがないと出入りできない麻薬密造グループのアジトにキーを使って入ったエプキーン刑事、侵入がバレてキーが使えなくなる。ここまではサスペンスの定石なのだが、「何故か」あっさり外に出られる演出の端折りぶりも関心しない。
 後半はもう少しなんとかなったんじゃないかと思うくらい悪い意味でBテイスト。砂漠のあれは殺さない方が…と思う。


にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村