映画和日乗

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「百円の恋」監督・武正晴 at 元町映画館

欧米ではすぐに何人かの俳優の顔が思い浮かぶが、我が国に於いて、一編の映画の中で顔も肉体もスピリッツも変化させられ、尚且つ主役であることが出来る俳優は数えるほどしかいない。まして女優となると現代では今作の安藤サクラしかいない、ことを思い知る映画である。
キネマ旬報11月下旬号に載っている今作のクランクアップの記念写真には撮影期間が「7/16〜8/3」とあり、8/3の「3」が後から訂正されていることが分かる。つまり撮影中に2日から0時を超えて3日になったのであろう。17日間での撮影だったのだ。この私の一文をどれだけの人が目にしているかわからないが、こんなに立派な映画でも安い製作費と過酷な労働条件の中で17日で撮られていることを知って欲しい。私の映画を含めて、現状の日本の映画界のしんどさは極限に達している。そんな中、製作陣は安藤サクラという女優が17日間の間に「デブでブスで自時価100円の女」からシャープなボクサーに変貌する瞬間を捉えることが「出来る」という博打に賭け、そして勝った。佳作、お勧め。元町映画館客入っているが年齢層が高い、20代、30代よ頼むからこの映画を見て。


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