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「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」監督モルテン・ティルドゥム at TOHOシネマズ梅田

「エニグマ」('01)というのがあって、あまり成功作とは言い難かったが今回また英国製の新作としてナチスドイツの暗号機エニグマの暗号解読に挑んだ実在した数学者チューニング博士の生涯を描く。
英国軍に拘束されそうになるほどの予算をつぎ込み、作り上げた巨大な「解読機」に電源が入ってカシャン、カシャンと動き出した時、我々世代はIBM製のコンピューターを即座に連想出来る。そう、パソコン以前はあのような巨大な、複数の円盤が回転する機会がコンピューターだった。本編の最後の最後に出て来るテロップの一節に「そうだよな」と溜飲を下げると共に、若い世代には知る由もないことなのだろう。
ノルウェー人監督が何故本作に抜擢されたのかは過去の作品が未見なのでなんとも言えないが、時制を行きつ戻りつしつつ、テロップをしつこく入れて分かり易くし、全体にオーソドックスな演出ぶりはテレビシリーズ出身らしい丁寧さだ。英国に同性愛が犯罪だった時代がつい最近まであったのも知らなかった。キーラ・ナイトレイ、ここでも好演。佳作、お勧め。


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