映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「セッション」監督デイミアン・チャゼル at TOHOシネマズ西宮OS

観終わって、何モンなんじゃこいつ!?という位にこの新人監督の来歴を知りたくなった。imdbのデータによると当年30歳、ということは本作を撮ったのは29歳の時でこの作品の前に短編版の「セッション」(原題は"Whiplash"、恐らくパイロット版)があり、脚本作として"Grand Piano"がある。音楽の素養があるのは自明の理。
才能についての映画である。チャゼル監督は、才能についての物語をつくる人間に才能(この場合映画と音楽両方の)が無ければもの笑いの種になるという実に重いプレッシャーに挑んでいる。
しごき倒すコーチ(J.K.シモンズ)にも、そのしごきを受けて立つ19歳のドラマー(マイルズ・テラー)もまたそれを問われ続ける。画と音に一点の嘘があっても崩れてしまう緊張感は、展開される物語と同じボルテージで迫り来る。「フルメタル・ジャケット」('87)の新兵訓練は、思考停止状態に追い込むことで戦争マシーンに作り上げるという皮肉と批判が有ったが、本作の血の迸るしごきは「その先の何か」を発見させる修行である。
が、崇高に見えた発見への道程は後半の展開で吹き飛び、そして‥これ以上は未見の方の為に書かないでおく。痺れた、ちびりそうになった。
今すぐ劇場へ。傑作、必見。


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