映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「S -最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE」監督・平野俊一 at OSシネマズミント神戸

先にテレビドラマシリーズがあり、その延長が本作とのこと。TBSのウェブサイトを見てようやく人間関係が掴めるといった、極めてガラパゴスニッポンな映画。特殊部隊員は二言目には「この国が」「この国は」「この国を」とどんな極限状態でも「この国」呪文を唱えないと乗り越えられないというご立派ぶり。環境破壊の犠牲になったことがテロの動機だというオダギリジョーに肩入れしたくなる。
総理以下、国務担当者が無個性なのも勿体無い。土建屋と結託して環境破壊を推進し、国土を破壊してきた「あいつら」をきちんと罪状の元にオダギリジョーが制裁を加えるくらいじゃないと、情念が薄味なのだ。ただの人殺しにしないと特殊部隊側の正義が成り立たんのだろうが。そのオダギリジョー演じる正木、6連発のリボルバーで戦うという不可思議。弾丸チャージのカットが無いので赤塚不二夫の漫画に出てくるホンカン並みに無尽蔵に撃ちまくる。うっとおしい前髪が目線に入るだろうにという狙撃手綾野剛もしかり、過去の経緯や科学知識をトリセツを読み上げるかのような非映画的土屋アンナもしかり。ディテールもガラパゴスニッポン。


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