映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「ベトナムの風に吹かれて」監督・大森一樹 at 有楽町スバル座

ゴタールの「ベトナムから遠く離れて」('67)とボブ・ディランの「Blowin' The Wind/風に吹かれて」('63)を足して二で割ったタイトルは偶然ではない。
老人介護をベトナムで、というテーマは主に後半、リアリズムに転調して介護地獄の実態が描かれるが、我らが大森一樹は'60年代のベトナム反戦運動とその元戦士の「その後」を中心として青春の後始末を描く。
斉藤洋介柄本明という「ヒポクラテスたち」('80)の人々、そして吉川晃司のご本人登場もまた過剰なまでに意識的で、それらのバックグラウンドを周知しているあの頃'80年代映画青年とスクリーンの向こうと観客席で肩を組むかのごとく。だからそんなことわからない人には全然わからない。確信犯である。
また「恋する女たち」('86)「『さよなら』の女たち」('88)と同じ音楽が使われている(かしぶち哲郎氏は2013年に亡くなっている)点もまたこの映画の存在を物語っている。
映画の青春、大森一樹大森一樹による青春映画のレクイエム。


にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村


羽田空港よりNH31便で伊丹空港着。