映画和日乗

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「灣生回家」監督・黃銘正 at 第七藝術劇場

第11回大阪アジアン映画祭上映作品。台湾での公開時、大ヒットで滞在中に席が取れず見逃していた。この日もチケットはソールドアウト、今一緒に仕事をしている范健祐プロデューサーに席を取ってもらって観ることができた。
台湾人は自尊心をくすぐられ、日本人は強烈な郷愁を抱く、そんなエピソードが綴られていく。台湾育ちの日本人は陽気な人、自らを「のんびり屋」と言う人、凛とした気品を漂わせたご婦人。それぞれがルーツたる台湾の特性を備え、効率第一で神経質になってしまった戦後日本人像を浮かび上がらせる。
また、戦後日本人が失いつつある家族=先祖の名誉というものへの強烈な拘りを持った一家のエピソードも、観る者の意識の底に眠る家族愛を呼び覚ます。傑作、お勧め。


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