映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「セーラー服と機関銃 卒業」監督・前田弘二 at TOHOシネマズ西宮OS

すわ貸し切りか、という状態から上映直前で私を入れて8人の観客。胡散臭いほどに主演の橋本環奈を押したPRぶりの理由が分かった。この日ここに集った8人は私と同世代かそれ以上の年齢層。各人に確かめた訳ではないが、相米慎二監督の元祖版を見知る世代である。今時の、病的なまでに幼稚な漫画系学園ドラマしか目がいかない世代にとって、「セーラー服と機関銃」というタイトルは食指が動かない。だから橋本環奈押しで行く、という目論見だったのでは。
さて、本編の方はというと案の定相米慎二の影響から逃れられず、長回し、前作へのオマージュ的配役。そして同じグリースガン‥機関銃の種類も思いっきり現代のものにしてガラッと変えてしまうという選択を制作陣はしなかったようだ。その振り切りの悪さ故(悪いと思っていないのだろうが)、決め台詞が決めにならなかった。紋切り型の悪徳市長、悪徳警官も振り切っていないが、照明ワークは振り切っていたね。
武田鉄矢の警察署からの脱走は脱力。そんな簡単ならもっと早く逃げれば?奥野瑛太好演。