映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「クリード チャンプを継ぐ男」監督ライアン・クーグラー at Cinema KOBE

ロッキー第1作('76)から4作目('85)まで封切りで観ている。それ以後はどうにも延命装置気味で観ることは無かったのだが、今作には食指が動いた。冒頭の、少年刑務所の廊下に座らされる少年たち(全員黒人だったか)から一気に喧嘩の現場へ突き進むキャメラでこの監督の映画センスに思わず居住まいを正す。そして7年後の当の喧嘩少年、アポロ・クリードの息子であるアドニス(マイケル・B・ジョーダン)の、父とロッキーの試合をYoutubeで観ながら、父の姿に自分を重ね合わせてのシャドーボクシングで映画的センスの良さを確信する。これはJ.J.エイブラハムズの「SUPER 8」('11)以来の興奮だ。そういえばあれもロメロのゾンビ映画へのオマージュだった。
スタローンの老けっぷりが良い。殊に癌が発覚してからの所作が見事。最後のタイトルマッチ、設定が第1作と同じ、ということは結末はある程度想像がつく。その想像通りに進みつつ、ここぞというところであのビル・コンティのテーマ曲を高らかに重ね合わせる絶妙な「ツボ押し」にこちらはまんまと涙腺決壊。
父を知らない男(アドニス)と、息子と疎遠な孤独な男(ロッキー)の擬似父子の、エンディングのしみじみぶりにも拍手。傑作、お勧め。