映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「レヴェナント:蘇りし者」監督アレハンドロ・イニャリトゥ at MOVIXあまがさき

冒頭の、水の溢れる森でありゃ、タルコフスキーだと思ったらずっとそうだった。原住民虐殺は「僕の村は戦場だった」('63)だし、朽ち果てた教会はまんま「ノスタルジア」('83)だ。そうやって観ると毛皮狙いの野盗は黒澤明七人の侍」('54)、ラストの決闘は「用心棒」('61)「椿三十郎」('62)だ。
ま、今の若い観客がそれらのことを予習として知るのも悪くはないだろう。イニャリトゥ監督による「観客を育てる映画教室」といったところか。
あと深作欣二復活の日」('80)も思い出したがこれはイニャリトゥさん観てないと思う。
それにしてもどうやって撮ったのかとそんなことばかり考えさせられたエマニュエル・ルベツキキャメラ。マルチカムを拒否し、ノーライトに徹する。資料によると全てマジックアワー狙いとのことだから、「天国の日々」('78)もまた予習材料か。
ディカプリオ、よく頑張りました。オスカー獲るなら男は艱難辛苦サバイバーか女はハンディキャップの役が有利という証明、と言ったら意地悪過ぎか。


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