映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「海よりもまだ深く」監督・是枝裕和 at 109シネマズHAT神戸

「勝負しろよ!」「このスネっかじりが」人に向かって吐く言葉が全部自分にはね返る天に唾する男(阿部寛)。更に男なら誰しも思い当たる彼のマザーコンプレックスだが、それにしてもこの母(樹木希林)と息子はベタベタとスキンシップが激しい。映画としての演出なのか、それとも是枝家ではこうなのか。いずれにせよやや過剰な気がする。
一方で登場人物が多用する「あれ」。「あれする」「あれしてさ」「あれだから」。他国語では訳しきれない曖昧で何とでも解釈できる玉虫色で時に無意味。それは家族そのものでもあり、家族を形成する大切な接着剤でもある。
そしてまた蝶。「歩いても歩いても」('08)と地続きになっている映画であることは明らかだが、今回は経年8年分の「老い」と破綻した家族が切ない。男の姉(小林聡美)が言う「家族のこと書かないでよね」は是枝さん、ホントに言われたことがあるんじゃないかと笑ってしまった。


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