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「トランボ ハリウッドで最も嫌われた男」監督ジェイ・ローチ at TOHOシネマズ西宮OS

1950年代のハリウッド赤狩りの標的にされた名脚本家ダルトン・トランボの半生を描く。
実名で登場する俳優や監督もいればそうではない設定の人物もいる。ハリウッド・テンの密告者として有名なエリア・カザンはその名前すら出てこない。一方でトランボの名誉回復にひと役買ったのがカーク・ダグラス。ファッションはダサいがプロデューサーとしても才覚があったようだ。「突撃」('57)で起用したキューブリックを疎ましく思いながらもその才能を見抜いて「スパルタカス」('60)に起用したのは有名な話。その「スパルタカス」の脚本をトランポに任せるくだりが面白い。そして彼と対照的に描かれるのがジョン・ウェインである。ドイツ訛りで完璧主義のオットー・プレミンジャー監督も可笑しい(「栄光への脱出」観なければ!)。
筋金入り、ぶれない、硬骨の人。ヘビースモーカーでヘビードランカーで書き続けたプロ中のプロ脚本家。ハリウッド映画の知識と素養がないと楽しめないが、重要な映画史をわかり易く描いている。佳作、お勧め。


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