映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「ニュースの真相」監督ジェームズ・ヴァンダービルト at TOHOシネマズ西宮OS

2004年に実際に起きた、アメリカCBSテレビの報道を巡ってメインアンカーの降板にまで至った事件を描く。
そのメインアンカー、ダン・ラザーを演じるのがロバート・レッドフォード。御年80歳、それでも流暢なアナウンサー然とした喋り方は見事だ。飛ぶ鳥落とす勢いだったが初動ミスで四面楚歌に陥るプロデューサー、メアリー・メイプスにケイト・ブランシェット、相変わらずの化けっぷりは至芸の域。
結末は苦い。時の政府のメディアへの圧力が、記者クラブ制度の弊害だったり、それに伴うただなんとなくの自主規制だったりの我が国とは違い、かの国はかなり露骨である一方、闘う側のジャーナリスト達の骨っぽさも格が違う。レッドフォードが素晴らしかった。冒頭のテレビ局の俯瞰移動カットはレッドフォードが出た「大統領の陰謀」('76)へのオマージュかな。音楽がやや大仰な印象。