映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「コロニア」監督フロリアン・ガレンベルガー at シネリーブル神戸

1973年のチリ軍事クーデーターを扱った映画では「サンチャゴに雨が降る」('76)と「ミッシング」('82)が即座に想起されるが、本作はその延長線上にありつつ、コロニア・ディグニダなるカルト宗教施設と軍事政権の密接な関係が中心に描かれる。
 冒頭の、民主化を訴える運動家ダニエル(ダニエル・ブリュール)とルフトハンザのCAレナ(エマ・ワトソン)のラブラブぶりが強調された演出であればあるほど、その後の地獄が想像されるという分かりやすい展開。ダニエルの判断力の鈍さに対してレナの直情的無鉄砲さは「お似合いのカップル」というより映画の為のキャラクター付けのような気がする。レナのカルト施設への潜入、潜入後の暴力に晒されることも厭わない向こう見ずぶりは強靭な鼻っ柱ぶり。
鑑賞後、ネットで検索するとコロニア・ディグニダは相当の広さと施設を誇っていたようでそれにしては映画のそれは小さく、貧弱である。それはさておき、この施設の沈鬱なムードは良く伝わった。
反面、教皇と呼ばれるパウルシェーファー(ミカエル・ニクヴィスト怪演)の少年愛は自主規制がかかったのか中途半端、おそらく元ナチということも含めてもっとおぞましい人物であったと想像される。
とまれ、南米に元ナチが優生思想を持ち込んでいたというのは、それが彼等の揺るがない信念であったことを物語っている。


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