映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「女神の見えざる手」監督ジョン・マッデン at TOHOシネマズ日本橋

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アメリカの銃規制を巡る保守右派(または長老派と言うべきか)と規制強化派の攻防をロビイストと言う立場から描く。ロビイストはエリザベス(ジェシカ・チャスティン)。ただのやり手ではない。男社会に挑む気負いと言うよりは知性と野心で呑んでかかっているしたたかさ。食欲、性欲は合理的に処置し、そこに楽しみというものがない。脚本と演出が、このような人物が如何にして生まれたかというバックボーンはスパッと捨てている潔さが良い。どこから来たかわからない一匹狼が脳みそと口先一本でのし上がって来た迫力が凄まじい。保守派から規制派へあっさり鞍替え、保守派の攻勢と真っ向対決、かといって正々堂々ではなく勝つために手段を選ばないエリザベス、次第に周囲もついていけなくなる、保守派の作戦もエスカレート、遂にエリザベスは陥落。かと思いきや、という大どんでん返し脚本にはヤラレタ。そうか、そうくるかの映画畑ではないというこれが初脚本のジョナサン・ペレーラの類い稀なる技量に脱帽。

役者は全員素晴らしい。傑作、お勧め。