映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「希望のかなた」監督アキ・カウリスマキ at 元町映画館

www.kibou-film.com35㎜フィルム上映。

「ル・アーブルの靴みがき」から6年、再び欧州に於ける難民問題を扱うカウリスマキ監督。その6年の間に中東の不毛な戦争は深刻化し、この映画でも船でフィンランドに逃げて来たシリア難民の主人公は滔々と自国の事情と避難の経験を語る。彼の当地フィンランドでの日常(職探し、差別)と、生き別れた妹を探す過程が例によって淡々と描かれる一方、妻と別れ、ギャンブルに滅法強い初老の男の行動が並行する。この男、左前のレストランを買い取りオーナーとなる。そのレストランのゴミ置場に寝ていたのがくだんのシリア難民。ここで両者の物語がシンクロし、難民君はレストランに雇われる。勿論不法就労だがオーナーは偽造の身分証を簡単に作ってやる。この辺が「靴みがき」と同じなのだが、そんなに簡単にできるのか?

 シリアスなドラマが一転、「寿司がブームだから」レストランを寿司屋に改装する辺りからコントになり、後半はさほど話としては転がらない。脚本としては単純だ。カウリスマキ調の演出でなければ凡庸とも言えるが、やはり全てを統御しているクリエイターは見せ切る力量が違う。ラストカット、見事だ。