映画的日乗

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「否定と肯定」監督ミック・ジャクソン at 宝塚シネ・ピピア

www.bleeckerstreetmedia.com  ホロコースト否定論者がホロコースト研究者を名誉毀損で訴える。英国の法律では原告ではなく、被告に立証責任がある、という。英国ではなく、米国の女性がその被告となり、大弁護団と共に闘うというお話し。

 ホロコースト研究者、デボラ(レイチェル・ワイズ)がしばしば冷静さを欠く、感情的なキャラクターという点が面白い。そしてそんな彼女を諌める弁護士の一人、リチャード(トム・ウィルキンソン)が実にカッコいい。法廷では徹底して理詰め、スタッフルームでは煙草と酒を手放せない慇懃な英国人。彼以外にも冷徹な弁護士や、若手の弁護士見習い女史がいるが描き方がおざなりな印象。更には否定論者でレイシストの原告アーヴィングが、かなりチンケな論調なのでそんなに大弁護団で挑む大きな闘いに見えないのが難点。演じているティモシー・スポールの毎度見事な化けっぷりが勿体無い。とまれ、我が国の目を覆う知性崩壊に比べればこうして生真面目に検証されるだけでもかの国は大人であることが分かる。