映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「あなたの旅立ち、綴ります」監督マーク・ペリントン at シネリーブル神戸

www.bleeckerstreetmedia.com  身も蓋もない邦題、原題はThe Last Wordでこのタイトルは映画のラストで効いてくる。

 シャーリー・マクレーン、御年83歳。来月で84。

スクリーンで見る限り溌剌、元気そうだが彼女の終活がこの映画のストーリー。嘗ては広告代理店のオーナーだったハリエット(マクレーン)、取引きのあった地元新聞社の訃報担当記者に「生きているうちに」自分を取材させ、立派な訃報記事を書いて欲しいと半ば強引に取材させる。面白いのはハリエットが神経質且つ有能、それ故思ったことを言い放ち、思った通りに行動する。衝突や摩擦を恐れない。それ故に会社を追われる。一方取材する側の記者アン(アマンダ・サイフリッド)は防戦一方。二人のダイアログは良く練られているのだが、脚本は要所で弱い。いくら地方のコミュニティFMとはいえあんなに簡単には採用されないだろう、雇う方のキャラクター設定も安易。生きているうちに夢を叶える、のは結構だが現実の壁は有る筈だ。この映画の裏テーマであるアナログの「空間にある余白や遊び」がデジタルには無いことの世知辛さ、をもう少し効かす方法はあったと思う。あの9歳の賢い子も学校どうすんだ?

広告代理店への復讐もカタルシスには至らないと感じた。