映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「レディ・プレイヤー1」監督スティーブン・スピルバーグ at 大阪ステーションシティシネマ

 

www.facebook.com  2045年の仮想現実の世界をスピルバーグが描く、がオープニングはヴァン・ヘイレンの「ジャンプ」。仮想現実の世界で三つの鍵を探す少年達、それぞれの鍵の前には試練が待ち受けているというゲーム仕様だ。細かい御託にいちいち囚われる暇もないくらいのその世界のルールやら用語が飛び交い、正直ついていけない。しかし、冒頭の曲を始め、ゲームの世界に散りばめられる'70&'80thサブカルチャーと映画の引用にニヤニヤ、びっくり。とりわけ三船敏郎やらメカゴジラやらガンダムやらと日本製が幅を効かす。勿論、黒澤明の弟子とも言えるスピルバーグは自覚的だ。少年の一人がてっきり中華カンフー系だと思っていたら忍者だった、ということは彼等五人組のうちの二人が日系ということか。極め付けはキューブリックの「シャイニング」('80)の再生。「サタデー・ナイト・フィーバー」('77)もあった、やりたい放題。

 しかし前作「ペンタゴン・ペーバーズ」のラストが「大統領の陰謀」('76)に繋がっていることと今作のいくつかの映画の再生は無関係ではないと思う。単なる懐古的映画愛、ではなく真っ当な、社会と時代を切り結ぶアメリカ映画をつくり得る製作環境が危機的であることへの警告に見えてならない。前掲の作品群が彼が「ジョーズ」('75)や「未知との遭遇」('77)をつくっていた頃の作品群と重なるからだ。

 若い観客がこの映画に散りばめられた記号を知りたくなってネットで検索し、それらの作品を観る、そのことで単調なコミック原作CGアクションではなく、多様なかつてのような佳きアメリカ映画をもっと観たいと欲するようになれば、とスピルバーグは恐らくそこまで考えてこの映画をつくっている筈だ。

 ラストは未来版「失われたアーク」のようでもあり、エッグはどうしてもイースターを想起させる。友情やコミュニケーションへの理想主義も含めしっかりとスピルバーグ印。楽しかった!

そんな人はいないと思うが「シャイニング」未見の方は、予習を。

 

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