映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「ファントム・スレッド」監督ポール・トーマス・アンダーソン at シネリーブル神戸

www.facebook.com  戦後間も無くのロンドンで精魂込めてドレスを作るレイノルズ(ダニエル・デイ=ルイス)は亡き母を追慕し、有能なマネージャーである姉と暮らしている。日常のルーティンへの拘りは強迫観念に近い。ダンディズムは貫くが独身主義。そんな彼が出会ったレストランのウェイトレス、アルマ(ヴィッキー・クリープス)は彼の作るドレスの採寸モデルとして最適な体型であった。二人は常に行動を共にするようになるが泊まるホテルの部屋は別々。アルマは時にレイノルズの神経質に耐えられなくなるものの、レイノルズもまたアルマなしでは精神の安泰を保てないことに気がつく、というお話し。

 アルマがベルギーの王女に話しかけるシーンがある。不見識でそれがフランス語ではないことくらいしか聞き取れなかったが、アルマの出自を想像させる。レイノルズは結局アルマとの身分違いに拘り、破局へと向かうがアルマはある方法でそれを繫ぎ止めることになる。

 ロンドン・クラシックに挑んだカリフォルニアガイPTA、クラッシーかつ単純なラヴ・ストーリーに神経を張り巡らすもやっぱりどうしてもお里が知れてしまう、アルマの匙を噛む癖のように。ちょっと「日の名残り」('93)を想起したもののこういうのはやっぱりヴィスコンティとは言わないまでもダニエル・シュミットルイ・マルの方が本家なんだろうな。ほんもの感、極上感が違うような気がした。しかしこの野心的挑戦には拍手、二人の最初のキスのシーンは感動した。


The Remains Of The Day - Trailer