映画的日乗

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「検察側の罪人」監督・原田眞人 at 東宝関西営業所試写室

kensatsugawa-movie.jp  雫井脩介の原作は未読ながら、朧げに原作との違いが想像出来る。というのも現在進行形のこの国の問題が随所に盛り込まれているからだ。「怒り」('16)というさほど現世界に向けて怒っていない映画があったが、原田眞人監督は怒っている。歴史修正主義者への怒りは今に始まったことではなく「バウンス ko GALS」('97)や「KAMIKAZE TAXI」('95)でも描かれているが、今作ではそれが現在の日本の状況への危うさに繋げられている。木村拓哉演じる検察官が清濁併せ呑む人物である背景には、歴史修正主義への反駁という正義が信念としてある。しかしそれは「スマートな奥崎謙三」でもあるという危うさも露呈してしまうところが見どころ。

 さてそれ故にいろんなことをやらかし、仕掛け、のたうちまわる木村拓哉は善戦している。あの妻役の品の無さも確信犯だろう。一方で犯人側、松倉役の酒向芳、かっさらう勢いの凄味。

 8月24日公開。