映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「嘆きの河の女たち」監督シェロン・ダヨック at ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13

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 引き続きアジアフォーカス・福岡国際映画祭の一環で鑑賞。

 フィリピン映画を観るのは初めて。舞台はミンダナオ島モロ。この一帯は敬虔なイスラム教地区のようだ。コーランの奇跡を滔々と述べる人々。そんな中、土地を巡って二つの家族が啀み合い、殺人に至る。殺人事件として何らかの捜査当局の動きがあるのかと思うのが自然だが、政府軍とこのイスラム勢力は対立していて警察の介入が見当たらない。代わりに男達は勝手に武装して復讐に燃える。子供も容赦無く殺される。子供が子供を殺す衝撃。女達、母達は長老たる祖父を怖れ意見出来ないが際限なき復讐の戦いを望んではいない。哀しみを押し殺し河に揺蕩いながら死んでしまった夫と対話する女達。救いの無い物語を時に死者の幻影を交えて詩的な世界に転化している。さて、ではどうすれば良いのかという政治的なアプローチは無いまま凄惨なショットで映画は終わる。それは、神への祈りだけではそれは及ばないのだ、とも読み取れた。