映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「大仏+」監督・黃信堯 at ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13

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 アジアフォーカス・福岡国際映画祭の一環で鑑賞。

 昨年度台湾金馬奨5冠に輝く。舞台は現代の台中。巨大な仏像を作る会社の夜間管理人とその友達の廃品回収業の男が、仏像制作会社の社長のドライブレコーダーを盗み見してしまったことから起こる騒動。これを分かりやすいドタバタで見せなかったところが秀逸。全編モノクロでドライブレコーダーの映像だけがカラー。貧困層の、常に曇天か驟雨の日常がモノクロで、車中で金満社長が美女と睦む世界がカラーという天地の開き。台湾の不況、就職難、地方政治家の腐敗、宗教家の欺瞞をシニカルに描く。これまでの叙情的か青春キラキラな台湾映画と一線を画すると同時に、現状を知らなかった我々ただの台湾映画好きに冷や水を浴びせる。これが台湾だ、と。大陸中国との対峙がじわじわと庶民生活を苦境に追い込んでいると見るのは穿ち過ぎか。

 しかしそれでも詩的で霊的なエンディングに台湾映画の豊穣を羨む。あの死体はどこに行ったのだろう?

 

有無 (片尾曲)

有無 (片尾曲)

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