映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「ボヘミアン・ラプソディー」監督ブライアン・シンガー at TOHOシネマズ西宮OS

www.instagram.com大ヒット大絶賛、この日も満席。

ミュージシャンの伝記モノというのは古今東西パターンがあって、無名時代→ヒット→バンドなら内輪揉め、ソロならレコード会社と軋轢→挫折、もしくはドラッグ、酒に溺れる→立ち直る→そして数年後、という図式。これに異性関係が絡む。本作では同性だが図式通りであり、取り立てて凝った構成になっている訳ではない。では何故大ヒット大絶賛かとなるとクィーンというバンドの存在が決定的にレイ・チャールズともスリー・ディグリーズとも違う、「いつもファンの側にあった」親しみやすいポピュラリティと、どこかしら歌舞伎的な艶やかさと悲哀とのない交ぜの感覚を持った特殊性にあるような気がする。だからクィーンの観客と共にあろうとする姿は丁寧に描かれている。

ラミ・マレックの成り切りぶりも、本人の努力の賜物ではあるが、英米の俳優なら誰しもそのくらい死ぬ気でやる筈だ。この映画の魅力は成り切りそっくりショーという点ではない。クィーンの輝きを丸ごと捉えた音とパフォーマンスの素晴らしさなのではないか。素晴らしきオリジナルの忠実な再現である。ライブ・エイドの再現がそれに尽きていて、33年前の実際の映像を現代の最新鋭の撮影機材で捉え直すことに徹している。クィーン乃至フレディ・マーキュリーへの解釈ではなく、こんな事がありました、という歴史再現に徹している点がかえって良かったのだろう。

 佳作、もう言わんでも観に行かれるだろうがお勧め。


Queen - Live at LIVE AID 1985/07/13 [Best Version]