映画的日乗

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「ざわざわ下北沢」監督・市川準 at シネヌーヴォ

ざわざわ下北沢 - Wikipedia

 2000年の公開当事、劇場は失念したが都内で観ている。DVD化されておらず、今回のフィルム上映に駆け付けた。あの頃、さほど佳いとは思わなかったが、今見ると市川準が想定したであろう、いつか亡くなってしまう町を記録しておかなければという執念が感じられる。無くなる、というより亡くなる、だ。本編でも(つまり2000年の時点で)下北沢の再開発が登場人物の会話の中で「それは残念ですねぇ」と語られる。現在の下北沢は、空気感も含めて残念ですねぇどころではない。嗚呼、この映画に出て来る亡くなった方々を含めて、この映画の存在は大いなる遺産である。

 下北沢の街角で原田芳雄樹木希林がすれ違い、樹木希林が「あんたの芝居好きよ」と言って去って行く一瞬に目頭が熱くなった。そう、こんなことがもう絶対にこの世で二度とない、その瞬間を目に焼き付けることが出来た。映画の持つ永遠性。

 

東京・少女・追憶 映画監督 市川準

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