映画的日乗

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「第三夫人と髪飾り」監督アッシュ・メイフェア at テアトル梅田

国際ファッション専門職大学大阪キャンパスで講義の後、テアトル梅田へ。

www.imdb.comエンドロールによるとスパイク・リーの関連団体による奨学金が使われているようで、そんな制度があるのかと検索したら、こんな記事が。

diverseeducation.com

www.nippon.com

 ベトナム系の監督、アッシュ・メイフェア(なんと素敵な名前!)はこれが長編デビュー作。これもクレジットに出ていたが同じベトナム系のトラン・アン・ユン監督がアドバイザースタッフとなっている。トラン・アン・ユン監督の「ノルウェイの森」('10)の主演だった水原希子に、本作のヒロイン、グェン・フォン・チャー・ミーはどことなく似ている。19世紀のベトナム。既にフランス領だったかどうかは定かではないが、この山間の集落ではおよそフランスの影響があったとは思えないような静けさと美しさを湛えている。「名家」と台詞の中で語られる富豪の家に14歳の第三夫人の御輿入れから物語は始まる。きっちりと隅々までデザインされたルックはCM調で、肌を弾く水滴などはボディシャンプーかお茶のCMのようだ。

 この富豪一族が何故にこの集落に君臨しているのかは謎だが、とにかく夫人達は男子を産むことを義務付けられている。第一夫人の長男は既にいるのだが頼りなく、更には第二夫人と不貞の関係にある。御輿入れは当日まで相手の姿形を知らない、知らせないのが風習らしく、その事が起こす悲劇も描かれる。ひどい封建制度である、女性差別であると断罪するのがこの映画の主たるテーマではないだろう、むしろ女達が理不尽な制度を受け入れ、したたかに生き抜く芯の強さを感じる。しかしまぁ「こんな時代がありました」という提示をひたすらにCM調の淡いルックで見せて貰う事になる。でも悪い映画ではないです。