映画的日乗

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「パラサイト 半地下の家族」監督ポン・ジュノ at TOHOシネマズ西宮OS

www.imdb.com 昨年度カンヌのパルムドールポン・ジュノは名実ともに世界トップクラスの監督となった。本作は予備知識無しで観た方が断然面白く、細かく散りばめられた伏線を楽しむのが製作者の本望だろうからここでは曖昧に書く。先に言っておくと滅法面白い、素晴らしい脚本である。半地下の棲家というのは韓国に限らずヨーロッパでも見かける。半地下に住む貧しい一家、父(ソン・ガンホ)は事業に失敗、母も娘も失業、息子は大学受験に失敗、勿論職がない。韓国はどうやら相当な就職難である事が分かる。父の失敗した台湾カステラ店営業というのは、後半もう一人の重要な登場人物も同じ目に合っているという設定になっている。検索してみたら、こういう事らしい↓

www.excite.co.jpなるほど、企業の杜撰な運営の犠牲になったという事か。

 さて、長男がひょんなきっかけである富豪の家の娘の家庭教師になる事から物語は始まる。映画を観終わってから資料で知るが、半地下の家もこの富豪の家もセットだという。日本ではまず考えられない。こんなセットを組める予算など絶対無い。断言する。 で、この富豪の家に家族ごと寄生して行く事を計画して実行する長男。まんまと乗せられてしまうこの家の夫人の白痴的イノセントも然もありなんな演出。こういう人いる。一家丸ごと寄生に成功したところで物語は反転して行く。大雨の日のインターフォンに映ったあの画像の造形の凝り様に唸る。この先は書かないが、階層による断絶を滑稽に描いてはいるが、それが決して分かり合えないであろう事を示唆するクライマックス。茹でガエルな隣の国とは違うこの韓国社会の厳しさを俯瞰的かつシニカルに描いたポン・ジュノ。最先端だ。傑作、お勧め。