映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「お父さんのバックドロップ」監督・李闘士男 at シネリーブル梅田(試写)

故・中島らもの同名小説の映画化。大阪の下町に「新世界プロレス」の下田牛之助
(宇梶剛士)とその息子、一雄(神木隆之介)が関東から実家に引っ越して来る。
妻は病死したのだが、実家のアパートの別棟に住む金本英恵(南果歩)とはかつてワケあり
だったらしい。一雄は英恵の息子と仲良くなり、大阪の町にも慣れ始めるが、巡業の多い
プロレスラーの父親を疎んでいた。息子との隔たりを意識した牛之助は、無謀とも
いえる世界空手チャンピオンとの闘いに挑戦する。「息子に尊敬されたいんや」と
つぶやいて…というお話し。テンポよく、オーソドックスできちんと撮っている李監督は
これがデビュー作。大阪出身だけにヘンなところはないし、分かり易過ぎる嫌い
はあるものの破綻はない。これは子を持つ親とそうでない人とでは観る印象が
全く違うのだろうと思う。尼崎出身の南果歩が生き生きしていて良いし、
宇梶パパとそのオヤジの南方"カシラ"英二のやりとりも絶妙で素晴らしい。
なにより一雄役の神木少年、食べたいくらいにカワイイ。キャスティングの勝利。
理髪店主の役で名演を見せる故・らも師も、神木少年について
「本当に目がとろける程可愛い」とプレスシートに記している。
11月大阪公開(予定)