映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「フォッグ・オブ・ウォー」監督エロール・モリス at ヴァージンシネマズ六本木

ベトナム戦争当時の国防長官、ロバート・マクナマラ氏の独白ドキュメンタリー。
華氏911」は怒りと嘲笑に満ちていたが、この、戦争を統計と確率という「数字」で計算していた男の迫真の告白と懺悔には、ひたすら寒気とむなしさが観る者の心の底に残滓として下降して行く。
一体何十万、何百万の人々がこの「計算」と「計算違い」によって死に、殺されて行ったことか。
官僚エリート臭さが引退した今も染み付いて抜けないマクナマラ氏、能弁だが、決して自らの責任には触れない。
華氏911」と併せてご覧になることをお勧めする。