映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「レディ・ジョーカー」監督・平山秀幸 at MOVIX六甲

1997年発刊の高村薫の同名ベストセラー小説の映画化。当初、森田芳光監督での映画化が進行していたと仄聞したが、6年近くかかって完成。
職業も立場も違う、ただ競馬場に集まるだけの男たち5人が、大手ビールメーカーの社長を誘拐監禁、一旦解放するが、真っ赤な色をしたビールが発見され、会社の株価は下落する。そして犯人グループ「レディ・ジョーカー」から5億円の要求がある…という「グリコ・森永事件」をモチーフとしたある種「有名なお話し」を描く。かの膨大な原作を読んでいるかいないかで評価は分かれるだろう。
読んでいる私には「よくここまで」と感動した。原作では1995年の話しを現在の2004年に置換、携帯電話が効果的に使われている。また犯行動機に深く根ざす同和問題も、そのことでは極めて神経質な東映配給なのに、と思いきやきちんと描かれている。
更に脚本の鄭義信の意向か、在日問題も絡む。ラスト20分は原作と全く違う展開だが現代性を考えればひとつのチョイスとして成功している。撮影、美術、録音も細部にわたって見事。
が、キーパーソンである肢体不自由児「レディ・ジョーカー」がほとんどモチーフに絡んでこないのは原作を切り詰めた印象。吉川晃司のノラクラぶりが良かった。


元町大丸で山貝Recipe編集長とお茶。