映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「トニー滝谷」監督・市川準 at シネカノン神戸

村上春樹の同名小説の映画化。読んだ記憶があるが、内容は映画を観ている間に
思い出した。これは究極の「小説の完全映画化」かも知れない。何せナレーションと
セリフは99パーセント「小説の朗読」なのだ。横移動を多用した色彩を感じさせない
ルック、中庭のある美術館に組んだような部屋のセット、室内でも髪を揺らす風…
と、観る者を異空間のフレームに気持ちよく嵌めてくれる。
また、冷や奴にバドワイザーとか、ボールいっぱいのサラダに塩だけ、
とかいかにもな村上春樹的記号も見せつけてくれます。