飛行機の設計・製作と映画づくりに情熱を燃やしたハワード・ヒューズの栄光と没落を描く。
1927年、映画はサイレントからトーキーに移りつつある時代、スコセッシはモノクロに着色したようなルックで
当時のムードを醸し出すことに腐心し、セットデザインにも力が入っているが、
彼の本質的に持つ庶民性が時代のスケールを薄っぺらくしてしまっている。
この人の本領は「グッド・フェローズ」('90)「カジノ」('95)の世界だ。
かのシャロン・ストーンにクレージュの水色ヴェルニ、のセンスなのだ。
資料によると主演のディカプリオから乞われての監督就任だったらしいが、全体的に時代絵巻の印象しか持てなかった。
ただ、こんな奇怪な人がいました、ということだけなのだが、2時間49分、スピーディな編集で退屈はしない。
ディカプリオは背中で演技が出来ていない。つまり、まだ「薄い」。
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